頭の中がうるさい

散歩とか音楽とか

楽園なんてない

買ったばかりの宮台真司の本を深夜のデニーズで読んでいると連絡が来た。


女友達が仕事を辞めようか迷っている。彼女は今昼の仕事と夜の仕事を両方やっていて時間的にも精神的にも余裕がなくなっている。いやその言い方は正しくない。そんな一般的な問題を抱えているわけじゃない。彼女はそもそも昼の仕事を問題なくやれるような精神構造をしていなくて、元々夜の仕事だけをやっていた。それが大学卒業とともに普通に就職もしてしまったわけだからそれだけでも辛いはずなのに、夜の仕事もやめてないから時間、体力もピリピリになってしまっているのだ。
そんならせめて夜の仕事やめてもっと睡眠時間とかゆっくりする時間確保すればいいじゃないか、と思ったけど昼の仕事だけでは自己肯定感を得られないと彼女は言う。

僕は彼女が夜の仕事をする理由は昼の仕事をまともにできる気がしないっていういわば消去法的な理由によるものだと思っていた。もちろんそういう意味合いもあるんだろうけど、その選択肢自体にも魅力を感じていたとは知らなかった。



彼女は色んな選択肢をいま考えている。ただどれを選んだとて決してのんびり気ままに歩けるような道ではないはずだ。楽園なんてどこにもない。あるのは今よりマシな選択肢くらいで、それも勝ち取ったあとに同じ輝きを保ってくれるとは限らない。